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藤沢周平「隠し剣秋風抄」読了
2012年11月12日(月) 23:00
先日「隠し剣孤影抄」を読み終わったのに続けて、続編の「隠し剣秋風抄」を読了。


隠し剣秋風抄 (文春文庫)隠し剣秋風抄 (文春文庫)
(2004/06)
藤沢 周平

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こちらは10回とまでは行かなくても、7~8回は読んでいるのではなかろうか。

この中に収録されている、「盲目剣谺返し」が、キムタクの主演で「武士の一分」というタイトルで映画化されたので、その時にも読み返している。

不思議なもので、「盲目剣谺返し」を読み返しても、主人公の三村新之丞に木村拓哉のイメージが重なることはない。
個人的な印象だが、三村新之丞は1年以上病んで盲目になっているし、非常に寡黙な設定なので、華のある俳優さんはどうしてもイメージになじめない感じがある。

妻の加世を誰が演じていたか、敵役となる上司を誰が演じていたか、思い出せずに読みえ終えた。

調べると加世は壇れいが、上司の島村藤弥は映画ではなぜか名前を変えて、島田藤弥という名になって坂東三津五郎が演じていた。
映画を見た直後には、壇れいには好印象を持った覚えがあるのだが、今回読み返してみると、全然合わない感じがした。

上司の島田が坂東三津五郎というのは、作中の描写と全く合致せず、いたずらに大物を持って来ただけ、という印象があったけれど、それは読み返しても動かない。
稀代の女好きで終始薄笑いを浮かべている名門の御曹司という役どころなのだが、なぜ坂東三津五郎だったのか不思議でならない。

山田洋次監督の3作品は、映画を観たときには、そこそこ上手く撮れてたのではなかという気がしていたのだが、今振り返ってみると、どれもあまり出来が良いとは言い難かったと思われてくる。

原作のファンが映像化でイメージが違うと騒ぐのは、ありふれた話なのだが、私は映画公開時には、概ね好感を持って観たように思うのだが、時間を経て読み返すと、キャスティングのミスマッチが大きく感じられる。

映像化の呪縛から解き放たれて、自分なりの登場人物像を自由に描くことができるようになった、ということでは、喜ぶべきことなのかもしれない。

本作には、

「酒乱剣石割り」
「汚名剣双燕」
「女難剣雷切り」
「陽狂剣かげろう」
「偏屈剣蟇ノ舌」
「好色剣流水」
「暗黒剣千鳥」
「孤立剣残月」
「盲目剣谺返し」

の9編が収められているが「盲目剣谺返し」が映画化作に選ばれたのは、男女の情愛の機微が比較的万人受けしやすい一作である、ということだろうと思われる。
9作それぞれに、趣の違った良さがあり、「隠し剣孤影抄」の8作とともに、「秘剣」と男女の情愛の機微の織り成す、様々な趣向の短編を連作で味わうところに、この連作短編集の面白さがあるのであって、一作を取り上げて云々すること自体が意味薄弱なようにも思う。

まだまだ読み返したい藤沢周平である。
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