日々の雑学 ●●●
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蒔田尚昊 (冬木透)の新作初演
2013年09月07日(土) 23:35
紀尾井シンフォニエッタが蒔田尚昊先生の新作を初演するという。

純クラシック音楽は蒔田尚昊(まいたしょうこう)名義で書かれ、ウルトラセブンの音楽をはじめとする、テレビなどの伴奏音楽は冬木透名義で書かれている。
冬木透氏の音楽の大ファンである私としては、蒔田尚昊先生のオーケストラ新作を聞き逃すわけにはいなかい。

2013-09-07_kioi_0004_R.jpg

この日の演奏会は阪哲郎が紀尾井シンフォニエッタの指揮台デビューであり、「阪哲郎が描く日本の四季とフランスの洒脱」と題されている。

蒔田尚昊:「歳時」(世界初演)
Ⅰ 去年今年
  初詣
  鰤起こし
Ⅱ 春告げ
  咲く花の女王
Ⅲ 終戦忌
  被昇天祭
Ⅳ 屋台囃子の無窮道

ドビュッシー(カプレ編):子供の領分
Ⅰ グラドゥス・アド・パルナッスム博士
Ⅱ 象の子守歌
Ⅲ 人形へのセレナード
Ⅳ 雪は踊っている
Ⅴ 小さな羊飼い
Ⅵ ゴリウォーグのケークウォ-ク

ルーセル:小管弦楽のためのコンセール

マルタン:7つの管楽器とティンパニ、打楽器と弦楽器のための協奏曲


冒頭に、蒔田尚昊の「歳時」委嘱新作初演、そして、ドビュッシーが愛娘のために書いた「子供の領分」をアンドレ・カプレが管弦楽編曲したもの。

後半は、ルーセルの「小管弦楽のためのコンセール」、そして、マルタンの「7つの管楽器とティンパニ、打楽器、弦楽器のための協奏曲」という、なんとも魅力的なプログラム。

「子供の領分」のアンドレ・カプレ編曲は実に良く出来ているし、大好きな曲なのだが、なかなか演奏されない。
アンリ・ビュッセル編曲の「小組曲」は非常に一般的なレパートリーになっているのだが、カプレの「子供の領分」も良く出来た編曲だと思うのである。

マルタンの「7管ティンパニ」も編成の問題とソロの難易度の問題もあるだろうが、わかりやすく、格好良い曲なのだが、これもなかなか実演に接することがない。

蒔田先生の新作は昨年、紀尾井シンフォニエッタが渡米し、ワシントンのポトマック河畔の桜の移植100周年を記念した公演のアンコールピースとしての依頼だったようだ。

日本の四季を、というお題は紀尾井シンフォニエッタ側からのオーダーだったようなのだが、冬、春、夏、秋の順の4つの楽章からなっている。

ワシントンでのアンコールでは桜のお祭りであるので、第2楽章だけが演奏され、全曲は昨日今日のこの演奏会で世界初演ということのようだ。

ポトマック河畔の桜の記念演奏会用ということもあろうが、第2楽章は「さくらさくら」のメロディをそれほどモディファイせずにナマで使われている。

しかし単なる名曲アワー的なムード音楽調にはなっておらず、十分こなれた曲になっている。アメリカの聴衆を意識したアンコールピースという条件がなければ、もっと「さくらさくら」のモチーフを大胆に変奏されていたかもしれない、という点では、ちょっと残念さも残る。

一方で、第3楽章では「君が代」のモチーフが出てくるのだが、何とも非現実的なヴェールをまとって用いられ、不気味な印象を残す。
聴く人によって様々な受け取りようが出来るし、単に反戦というメッセージがナマでむき出しで表現されているわけではないのだが、印象深い音楽になっていた。
8月15日は聖母マリアの被昇天祭にあたり、クリスチャンであり、これまでキリスト教の宗教曲を多く書かれてきた蒔田先生らしく、8.15を祈りの音楽に昇華させている。

第4楽章は秩父の祭り囃子にアイディアを得たとライナーに書かれているが、締太鼓、チャンチキも登場するあたり、外山ラプソディー的でもある。
第3楽章の夏が「終戦忌」であることを考えると、序曲的楽章、スケルツォ的楽章、緩徐的楽章、フィナーレという構成なのかな?と予見したのだが、各楽章はそれぞれの中で起承転結のある音楽になっている。
スケルツォ的ということでは、第4楽章が全体が祭り囃子の雰囲気なので、スケルツォ的であり、壮大な終曲というより洒脱な祭礼舞曲となっている。
単に日本風の旋律をアレンジした、ということではない、蒔田尚昊独自のオリジナリティのある世界が展開されていた。
そして冬木透的な響きのするところもそこかしこに。

会場で拍手の中、ステージに迎えられた蒔田先生はお元気な姿で、カーテンコールを受けられていた。

近藤先生のティンパニを聞くのも久しぶりなのだが、やはり響きの透明さというか、音程がきれいに鮮やかに聞こえるという部分がすごい。

マルタンの「7管ティンパニ」は、おそらくはじめて聞く人にも、演奏効果的にもウケやすいと思うし、もっと演奏されて欲しい曲だ。

フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、ティンパニが時としてアクロバティックと言って良いソロパートを担当し、弦楽器と打楽器が伴奏となる。

7つの管楽器とティンパニのソロも、名手揃いの紀尾井シンフォニエッタならではの見事さ。
近藤先生のティンパニも鮮やか、かつ音が美しい。

そして、最後になったが、阪哲郎氏だが、タクトさばきは見事だった。
単に拍がわかりやすいというだけでなく、音楽の方向性が体全体から伝わる指揮ぶり。
次は前に行くよ、次はためるよ、というのが、予動でわかる。
テンポ以外のニュアンスも身振りと体の動きで伝わる。
単に拍を合わせるということ以上のメッセージ、それも次の拍、次の小節の方向性が見ているとわかる指揮ぶりだった。
おそらく、初めての合奏でも、止めて言葉を交えなくても、相当の意図が振るだけで伝わっていくタイプの練習をされるのではないか、と想像された。
京都がご出身で、関西での活動が多かったので、あまり接していなかったのだが、もっと聞きたい振ってもらいたい指揮者の一人だ。

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