日々の雑学 ●●●
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ベルリンフィル来日公演でした
2013年11月18日(月) 23:37
今日はサントリーホールでベルリンフィルの来日公演聴いて来ました。

いま東京にはベルリンフィルとウィーンフィルとアムステルダム・コンセルトヘボウが同時に来ていて、昨晩は3つのオケの打楽器パート&日本の弟子たちによる合同飲み会があったそうで、何ともすさまじいことです。

ウィーンフィルとコンセルトヘボウは比較的最近聴いているのに比べてベルリンフィルは非常にご無沙汰です。

もちろん第一にはチケットの入手が困難でトライしてダメだった時もあるのですが、カラヤン時代に比べてアバド時代の音楽の方向性に、そこまでの努力と大枚をはたくモチベーションが湧かなかったという部分もあります。

その雰囲気のままラトル時代を迎え、そのラトルもそろそろ退任らしい、という話もあり、一度もラトル/ベルリンの実演を聞かずというのは、まずかろう、ということで、今回は聞いて置こうと思ってのベルリンフィルでした。

今日の演目は
シューマン:交響曲第1番「春」
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
         ヴァイオリン独奏:樫本大進
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」
というプログラム。

既に台湾公演の評判とかも聞こえてきて、白眉は、大進のプロコ・コンチェルトと、もう一つのプロのブルックナー7番とのうわさもあったのですが。

そういう予備知識や既成概念を吹っ飛ばしてくれる、ものすごい演奏会でした。

このプログラムの並びを見ると、後半が尖った音楽だから、シューマンは優しく丸い演奏をするのか、と思いきや、これが容赦のない良い意味で角の尖った演奏でした。
アーティキュレーションやフレージングも鋭角なアプローチ、そして音量も後半に取っておくなどというような発想はない快演。
12型とは思えない鳴りっぷりに、管楽器も伸び伸びと。
端休めではない、超気合の入ったシューマンを聞かせてもらいました。

そして、樫本大進。
プロコフィエフの1番というのは、選曲自体もチャレンジです。
通常のコンチェルトとは逆の緩急緩という3つの楽章の並びで、構造的に難易度が高い上に、ソロパートの難しさも尋常ではない。
しかし、これは完全に「Daishin & His Orchestra」による演奏になってました。
ラトルは脇で振ってますが、完全にオケと大進が神経が直結してしまっている部分を随所に感じ、オケもラトルのタクトよりも大進の肩や背中を頼りに合わせていく感じ。
大進が完全にこのオーケストラを掌握し、オーケストラも全幅の信頼を大進に寄せていることが伝わる演奏。

客演のソリストでは、ここまで濃密な音楽は絶対生まれない、という境地に達していました。

樫本大進、安永さんを既に超えてしまっているのかも。

徹底的にドライで軽い音を志向したプロコフィエフに対し、「春の祭典」は驚くほど、ウエットで肉感的な演奏。
音符一つ一つが粘る粘る。

もう必死に汗かいて「春の祭典」を演奏するなんて、20世紀の野暮ったい話で、ささっとドライにやってしまうのが、最近の流儀、という昨今。
春の祭典をロマンティックにと言うとちょっと誤解を生みますが、情感たっぷりに、血がしたたり、脳汁がしたたり、あるいは時にはf字孔から愛液がしたたるような「春の祭典」でした。

新古典的なプロコフィエフと、まだ新古典に行く前の原始的なストラヴィンスキーのガラッと真逆に変えたアプローチが見事。

コンセルトヘボウもウィーンフィルも自分のホールに合わせたオケです。
コンセルトヘボウのホールの鳴りの良さを前提とした音の出し方をするし、ムジークフェラインザールで美しく響くオーケストラ。
ベルリンフィルもその意味ではまさにそうであって、武道館ほどの容積のあるフィルハーモニーザールの隅から隅まで電気的な補強なしに聞かせることを前提として訓練されてきたオケです。

アバド時代に「何もそんなにムキに演奏しなくても・・・」というアバドの方向性は一時期確かにあったのですが、カラヤン時代に戻ったというと、時代もメンバーも違いますから、過去に戻ったわけではなく、ラトルの功績が実を結んだと言ってあげるべきでしょうが、すごい音がするようになってました。

徹頭徹尾、冷徹に乾いた音でアンサンブルもきちっと仕上げていくプロコフィエフのアプローチに対して、ストラヴィンスキーは、結構各パート、各アーティキュレーション自由にたっぷり歌い込ませて、大きな集合点で合わせて行く、という作り方。

今更、ベルリンフィルでハルサイ聞いて、面白いモノ出てくるのだろうか?という疑問をあっさりひっくり返してくれたばかりでなく、自分史上最高のハルサイ体験だったように思います。

1番ティンパニと2番ティンパニの音符の分け方も、通例とは思い切って違うやり方をしてました。
第一部では通常1番が一人でやるところを2番と掛け合いにしたり、アクセントに2番を重ねたり、第二部では、1番2番の受け持ちを逆転させていたり、とても効果的で新鮮でしたが、あれはラトルのアイディアなのかどうか?
ラトルは打楽器奏者だから、恐らくそうなんだと思いますが。

天皇皇后両陛下もご臨席いただき、稀代の超名演に出会えた感じでした。







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