日々の雑学 ●●●
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伊福部昭 百年紀 コンサートシリーズVol.1でした
2014年02月01日(土) 22:52
毎年2月1日は、キャンプインの話題で球春到来を告げてきた当ブログだが、今日はちょっと別件があったので、そちらの話題を。

トリフォニーホールで「伊福部昭 百年記 コンサートシリーズVol.1」と題する演奏会があり、それを聴いてきた。

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伊福部昭百年記実行委員会は2014年を通じてさまざまな企画をやっていくのだと思われるが、その第一弾のオーケストラコンサート。

映画音楽だけを取り上げた演奏会である。

著名な「ゴジラ」の音楽も含まれているけれども、伊福部昭本人が1983年に編んだ「SF交響ファンタジー」の形ではなく、オリジナルサウンドトラックの楽曲を繋げた形での演奏であるから、いずれの曲もこの形では「舞台初演」なのではないか、と思われる。

「銀嶺の果て」(1947)
「国鉄」(1954,1961,1966)
「ゴジラ」(1954)
「海底軍艦」(1963)
「地球防衛軍」(1956)
から、それぞれ代表曲を組曲形式で、今日のために編んだものであるが、プログラムノートによれば、オリジナルスコアをできる限り改変することなく、繋げただけ、ということである。

伊福部昭の映画音楽はアナログレコード時代にオリジナルサウンドトラックは入手可能な音源は一通り持っていて聴いたことがあり、映画初作品である「銀嶺の果て」も聴いたことがあったし、ゴジラはもちろん、「海底軍艦」も「地球防衛軍」も耳にしたことのある音楽ではある。

しかし、日本国有鉄道の記録映画のために書かれた音楽に関しては、商業映画として、封切られたものではないので、存在自体知らなかったし、今日、お初に聞かせていただくもので、非常に興味深かった。

「国鉄」組曲と紹介されていたけれども、内容は
「つばねを動かす人たち」
「雪に挑む」
「国鉄~21世紀を目指して」
という3つの映画の音楽であった。

演奏にあたったオーケストラ・トリプティークも激しい音楽が続く演奏会だったけれども、力演であったし、来歴からは、伊福部昭とは少し意外な取り合わせのような気がした斎藤一郎の指揮も実に明快でシャープなタクトであった。
斎藤一郎の指揮は後輩たちの演奏会で接したことがあるだけなのだが、自分も振ってもらいたい指揮者として意識し始めた。
変拍子の振り方が、実に自然で音楽的でありながら、これ以上ないほどわかりやすいのである。

伊福部映画音楽の魅力を余すところなく・・・、と書きたいところなのだが、若干SFモノに寄りすぎた選曲とも言える。
伊福部マーチは盛り上がるので、それはそれでよいのだが、「海底軍艦」も「地球棒援軍」も最新兵器が敵をやっつける話であり、記録映画の「国鉄」の音楽も、質量のあるメカが動くという意味では同系列のテイストを持っている。

伊福部の映画音楽の魅力を語る上では、「座頭市」シリーズに代表される、数多くの時代劇作品に用いられた、日本的な(と言っても伊福部は日本民謡旋律をナマで使うことはしなかったけれども)風合いや、「ビルマの竪琴」や「サンダカン八番娼館」などの見られる南洋風ともいえるエキゾチシズムも重要な要素、そして、ゴジラも原始の怪獣ではあるけれども「大魔神」につけた音楽のような土俗性という部分も、今日の演目は近未来SFに寄っていたので、少し触れられなかったような気がしている。

元より企画側も今日の演奏会一回で、伊福部映画音楽のすべての側面に光を当てよう、ということではなかったろうから、ないものねだりかもしれないのだが。

しかし、演奏された各曲はいずれも、魅力にあふれたものだった。

アンコールには、伊福部昭本人が生前に編んだ交響ファンタジー「ゴジラVSキングギドラ」が演奏された。

SF交響ファンタジーで演奏される音楽に慣れてしまった耳には、オリジナルサウンドトラックのオーケストレーションはかえって新鮮に感じるところもあるし、SF交響ファンタジーが生まれた理由がよくわかる部分もあり、それはそれで興味深い体験だった。

ロビーにはたくさんの展示も
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伊福部昭百年紀実行委員会は愛弟子の今井重幸先生を委員長として活動してきたのだが、その今井先生も今年の年初に亡くなられてしまった。
プログラムには今井重幸先生の主催者としての挨拶文が掲載されており、当演奏会を実行委員長今井重幸のままで行い、今井先生に捧げたい旨が記されていた。

たくさんの弟子を輩出しながら、弟子の方が早く亡くなってしまった伊福部門下にあって、今井先生がその重責を一身に引き受けていた感もあって、今井先生の挨拶文は感無量であった。
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