日々の雑学 ●●●
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都響のコルンゴルト交響曲を聴く
2014年05月27日(火) 23:57
今年は私の大好きなエーリッヒ・ウォルフガング・コルンゴルトの作品が、毎月のように実演されるという夢のようなことになっている。

3月の新国立劇場の「死の都」、東京春音楽祭での室内楽演奏会にも足を運んだ。

今月は山田和樹/日フィルでのヴァイオリン協奏曲もあったのだが、これは行くことが出来なかった。
しかしヴァイオリン協奏曲はコルンゴルトの作品の中でも一番演奏頻度の高い曲なので、また機会があると思われる。

交響曲の実演は日本で初めてということではないけれども、グリーン・ユース・オーケストラ '99(アマチュア)による1999年の日本初演、2001年の新日本フィル、2007年のシティフィルの3回だけであり、非常に稀有なことなので、聴きに行かないわけにはいかない。

当たり前のことだが、録音でどんなに親しんだ曲でも、ナマの演奏で聴かないと真価はわからないものだ。

マルク・アルブレヒトと都響の演奏は作品の魅力を伝えるに十分で、実に力強い演奏だった。
都響がどの程度までの共感をこの作品に抱いてくれたのかは、さすがにプロの演奏家の方々なので、本音のところはわからないけれども。

第1楽章始まってほどなく現れるフルート・ソロは、曲の印象を方向付ける重要な役割だが、寺本先生の音色は実にすばらしかった。

マルク・アルブレヒトは都響のサイトに以下のような文章を寄せている。

『規模の壮大さ、ブルックナーのようなアダージョ。
 人生の希望と悲劇を表した荘厳な作品』


首席指揮者を務めるネザーランド・オペラをはじめヨーロッパの歌劇場で活躍中のマルク・アルブレヒト氏から、5/27(火)の定期演奏会Bシリーズ(サントリーホール)で取り上げるコルンゴルトの大作交響曲についてメッセージが届きました。

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コルンゴルト後期の交響曲嬰ヘ調を指揮するたび、私は驚くべき傑作を演奏しているのだと確信します。規模の壮大さ、ブルックナーのような美しいアダージョ、グロテスクなスケルツォの超絶技法は、ほとんど演奏されないこの曲を真実の発見へと導きます。
作曲家自身にとって私的な性格をもったこの作品は、彼の人生における希望と悲劇両方の側面を表しています。コルンゴルトが1934年に祖国オーストリアを去らなければならなかった時、かつての神童はR.シュトラウスに次いで最も成功したオペラ作曲家として認められていました。そして20年後、ナチスの恐怖が終わった後、彼はウィーンに戻って交響曲嬰ヘ調の初演を行いました。
残念なことに演奏はつまらなく、良い状態ではなかったため、彼を愛した聴衆からの冷たい拒絶は、彼を本当に失望させました。
だからこそ、コルンゴルトの荘厳な作品を演奏することは、毎回が私にとって特に重要だと考えているのです。


と、マルク・アルブレヒトは語っているけれども、第3楽章を「ブルックナーのよう」と例えるのは、ちょっとピンと来ない部分もある。
この交響曲のアダージョは、むしろコルンゴルト自身のオペラの悲劇的クライマックスに通じるものがあり、天上的なブルックナーというよりも、世俗的人間的な劇性を強く感じるのである。

この交響曲をはじめて聴いた人の印象は、おそらく第2楽章のホルンのSoliとそれに続く弦楽器の楽想の部分が印象に残るのではないかと思われる。
確かにここのひとくさりは、ジョン・ウィリアムス的な、印象的なフレーズではある。

しかし、大戦を挟んで映画音楽を多く書いて来たコルンゴルトが、本格的な純粋音楽を「交響曲」という前世紀的な形で残そうという並々ならぬ決意が積み重なっている曲で、曲の各部分は、できるだけ具象的イメージや、付随音楽的な要素を徹底して排除しようという意思が現れているように思う。

今日の演奏会は前半に、これまた演奏される機会の少ないメンデルスゾーンのピアノ協奏曲第1番を置いている。
一般的でないコルンゴルトの交響曲をメインに置いての演奏会であるから、興行的には非常にチャレンジ的なプログラムと言える。

しかし、コルンゴルトとメンデルスゾーンの間には、「独墺圏でティーンエージの頃から『神童』として華々しくデビューしたユダヤ人」というだけでなく、コルンゴルトとハリウッド映画音楽に関わりが、映画『真夏の夜の夢』のために、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」の音楽をコルンゴルトが編曲したことから始まっているので、縁の深い組み合わせなのである。

今月の日フィルのコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲とラフマニノフ交響曲第2番という組み合わせも秀逸なプログラミングだったが、今日の都響のメンデルスゾーンのピアノ協奏曲第1番とコルンゴルトの交響曲の組み合わせも実によく出来ているのである。

参考として、音源を置いておく。

第1楽章


第2楽章


第3楽章


第4楽章


20世紀後半を代表する「交響曲」と言えると思うのだが、この曲は1954年に放送初演されたものの、作曲家の生前には省みられることなく、観客の前で演奏されたのは、1970年代になって、ルドルフ・ケンペがミュンヘンで演奏するまで待たなければならなかったし、演奏会レパートリーとして、目にするようになったのは、世界的にも1990年代になってからなのである。

久々の都響
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コルンゴルトの交響曲、堪能させていただきましたが、まだまだこの曲の真価が定着するには、更なる啓蒙活動が必要か、とも、思いました。
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この記事へのコメント
通りがかりの者です。
コルンゴルト、今回の演奏会を契機に聴きはじめましたが、いい曲ですね。耳に残ります。
ただし、技術的にかなり難曲かと。都響はさすがでしたが。

ところで、今日のフルートは寺本さんではなく柳原さんでしたよ。
2014年05月28日(水) 00:37 | URL | #nHeIJZvg[ 内容変更]

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